色の世界 現
こわい こわいよぅ パパ
なんでこんなに暗いの?
暗いのはキライって 知ってるでしょ
早く灯りをつけてよ パパ
ねぇってば!
わたしの事 嫌いになちゃったの
パパ?
佳い子にするから ちゃんと言うことも聞くから
おねがいよ パパ! 暗いの! 怖いの!
何も見えないの
たすけてよ
「アアアァァァァアアァアァぁ」
・ ・ ・ ・ ・ ・ うん わかった
怖いけど 今日は瞼を閉じてるね
ねぇ パパ 手 繋いでいい?
繋いでいると見えないけれど パパが見えるの
パパの熱が
鼓動が
伝わってきて
わたしの一部みたいに感じるの
とっても安心するの
暗くてもわたしは一人じゃないって
視えなくても パパはいて
と つながっている
そうよね パパ
安心したら眠くなってきちゃった
わたしが眠るまで ここに
い
て
ね
泣きつかれた少女は深い暗闇へと落ちて
逝
く
冷
た
く 小さなその震える手を力強く握り しめた
鳥
た
ち
の
囀
る 音 が す る
陽気な彼らの歌声も 世界の色を濁り曇らす
今はただただ雑音で
も
窓から注ぐ光の道 少女に届かぬ
影
と
な
る
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